Artifactory を Windows にインストール

はじめに

本記事では、Windows 環境への Artifactory のインストール方法を紹介します。
しかし、Windows へのインストールは正直おすすめしません。特に、日本語版 Windows ではデフォルトのコードページが Shift-JIS であるため、公式のインストール手順ではバッチファイルの動作に問題が生じることがあります。そのため、可能であれば Linux 環境での運用を検討することを推奨します。
それでも「社内の事情で Windows しか使えない」「とりあえず試しに動かしてみたい」という方のために、本記事では Windows 環境でのセットアップ手順を解説します。少し手間がかかるかもしれませんが、ぜひ参考にしてみてください。

前提条件

OS: Windows 11 Pro バージョン 24H2
Artifactory のバージョン: jfrog-artifactory-oss-7.104.12-windows.zip
Java: Artifactory に JDK が組み込まれている為、事前のインストールは不要
DB: Artifactory に組み込まれている Derby を使用する為、事前のインストールは不要
インストール先のパス: C:\jfrog\artifactory

Artifactory をダウンロードして展開

公式サイトから Artifactory をダウンロードします。
※公式サイトには「Windows Installer」と説明されていますが、実体は zip ファイルです。

ZIP ファイルを展開し、中身を任意のフォルダ に配置します。
インストール先が “C:\jfrog\artifactory\” の場合、中身をコピーして配置すると以下のフォルダ構造になります。

c:\jfrog
   └ artifactory
   └ app
   └ var

system.yaml の作成

C:\jfrog\artifactory\var\etc\system.basic-template.yaml をコピーし、
C:\jfrog\artifactory\var\etc\system.yaml を作成します。
system.yaml をテキストエディタで開き、allowNonPostgresql のコメントを解除し、値を true に変更して保存します。
※この設定で Artifactory に組み込まれている Derby という DB が有効化されます。

    allowNonPostgresql: true

Artifactory の起動

Artifactory の起動方法は以下の2通りの方法があります。

  • artifactory.bat ファイルを実行して起動
  • Windows サービスを登録して起動 (※非推奨)

それぞれ説明します。

artifactory.bat ファイルを実行して起動

PowerShell を起動し、コードページを UTF-8 に変更します。

chcp 65001

コードページを変更した PowerShell で C:\jfrog\artifactory\var\etc に移動し、artifactory.bat を実行します。

cd C:\jfrog\artifactory\var\etc
.\artifactory.bat

しばらく待ってログの出力が落ち着いた後、ブラウザで localhost:8081 にアクセスし、以下のページが表示されれば起動成功です。
※初回は DB の初期化処理なども実行されるのでまぁまぁ時間がかかります。

Windows サービスを登録して起動 (非推奨)

Artifactory を Windows サービスとして登録して起動する場合、Windows の文字コードを UTF-8 に変更する必要があるのですが、Excel 等その他のアプリケーションにも様々な影響があるため、この方法はオススメできません!artifactory.bat で起動する方法をオススメします。

Windows の文字コードを UTF-8 に変更するには以下の手順を実施します。

  1. コントロールパネルを起動し、「時計と地域」 → 「地域」 をクリック → 「管理」タブをクリック
  2. 「管理」タブをクリックし、「システムロケールの変更」をクリック
  3. 「ベータ: ワールドワイド言語サポートで Unicode UTF-8 を使用(U)」にチェックを入れ 「OK」をクリックする。
  4. Windows を再起動する。

次に Artifactory を Windows サービスに登録するため、PowerShell を管理者モードで起動し、
C:\jfrog\artifactory\app\bin\installService.bat を実行します。
成功すると以下が表示されます。

2025-03-16 20:54:47,027 INFO  - Installing the service with id 'Artifactory'
2025-03-16T20:54:47:05Z [INFO ] [installService.bat ] [main]- Attempting to start artifactory service

SERVICE_NAME: artifactory
        TYPE               : 10  WIN32_OWN_PROCESS
        STATE              : 2  START_PENDING
                                (STOPPABLE, NOT_PAUSABLE, ACCEPTS_SHUTDOWN)
        WIN32_EXIT_CODE    : 0  (0x0)
        SERVICE_EXIT_CODE  : 0  (0x0)
        CHECKPOINT         : 0x0
        WAIT_HINT          : 0x0
        PID                : 5740
        FLAGS              :

サービスの登録は以上で完了です。(成功するとサービスが自動で起動されていると思います。)
Web ブラウザで http://localhost:8081 にアクセスすると Artifactory のログインページが表示されます。

tk2

映画とかゲームとかが好きです。 はやく引退して悠々自適な生活したい。

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