Tartaruga Type F について – 購入~放置編 何故あまり乗らずに放置してしまったのか?

マンションの駐輪場に、自転車を長いこと放置しちゃってる…なんてこと、ありませんか?
私も17年くらい前に折りたたみ自転車を買い、しばらくは部屋で保管していたのですが、引っ越しをきっかけに部屋に置けなくなって、マンションの駐輪場に12年くらい放置していました。
私の購入した折りたたみ自転車はこいつです。

Tartaruga Type F というセミ・リカンベント型の折り畳み自転車です。
リカンベント(recumbent) は「もたれかかる」という意味の英単語です。
リカンベント型の自転車はほとんど寝そべるように背もたれにもたれかかって、前輪の上に位置するペダルを漕ぐような感じなのですが、この自転車はセミ・リカンベントなのでちょっとだけもたれかかる・・という感じです。
この自転車を購入後に放置して再生するに至った経緯を何回かに分けて書いてみようと思います。
購入を考えている方に参考となれば幸いです。

Tartaruga Type F との出会い

2007年頃に一人暮らしをしていた私は、近所への買い物などで使用できる自転車を探していました。
当時住んでいた賃貸マンションは駐輪場が無く、どうしたもんかと悩んでいたところ、Web の記事で Tartaruga Type F を知りました。・・・と、同時に世の中に「リカンベント」「折り畳み自転車」というものがあることを知りました。折り畳み自転車は、今では amazon などで激安の折り畳み自転車が売ってたり、街でも結構見かけるのですが、当時はかなりマイナーだった印象です。
Tartaruga Type F を一目見た印象は以下のとおりです。

  • フレームの形状がユニークでおもろい!
  • デザインがカッコいい!
  • 折り畳めるので部屋に保管できそう!
  • 背もたれがついてて乗車時楽そう!
  • しかし値段が高すぎる!(当時 17万くらいしたと思います。今はもっと高いけど・・)

改めて今見ると、正直デザインは子供っぽいというか洗練されてなくてダサい・・と思います。
しかし若かりし私はなぜかこのデザインをカッコいいと感じたのです・・・(恥)。唯一マイナスポイントに感じていた価格が高いという点も、当時フリーランスになりたてで若干収入も上がり調子にのっていたので、「自分へのご褒美!!」と割り切ってしまいました。
お店で試乗して乗り心地もよく、店員さんの対応も良かったので、やや衝動買いに近い感じで購入してしまいました。今思い返すと、試乗したといってもお店の前の道(10mくらい?)を、グルグル廻っただけ・・・。17万の商品を使うには余りにも軽率な判断です・・・orz
フレームカラーは白にしたのですが、それは購入時ついてきてくれた彼女が「白のほうがデザインシンプルやし、ええんちゃう?オレンジはちょっと・・」というアドバイスをくれたからでした。
当時フレームカラーの選択肢はオレンジ、ブラウン、白、とあと一色くらいあったと思いますが覚えていません・・・。最新のモデルもそうなんですが、オレンジはその他の色に比べてデザインが派手です。
よくわからん謎の黒い●が沢山あったり、網っぽい柄があったり、これ一体なんやねん・・とか今は思いますが、当時私は最後までオレンジに惹かれて悩んでいました(恥)。

彼女からアドバイスを貰い、「確かにちょっと悪目立ちしそうやな・・・」と考え直し最終的には白をチョイスしました。このアドバイスが無かったらおそらくオレンジを買っていたので、今頃恥ずかしくて乗れていなかっただろうなと思います・・・。
現在の感想を交えたので、購入したことを後悔しているような雰囲気になってしまったのですが、購入した当時はそれはもう嬉しくてウキウキでした。

購入直後の使用感

ここからは購入直後の使用感についてお話します。

⭕乗り心地はとてもよい

この自転車、乗り心地はかなりよいです。
まずサドルがとても低い位置にあるので、クロスバイクやロードバイクに乗るときのような、またぐような動作はしなくても乗車出来ます。また、乗車位置が低く両足がすぐつくので、転倒のリスクはほぼないです。信号待ちなどでもさっと足をつけて、椅子に座って待っているような感じでのんびりできます。
乗車姿勢は椅子にどっかり座るような感じで、クロスバイクやロードバイクのように前傾姿勢ではないので、短い時間乗るのであれば非常に楽です。あとサスペンションがついてて路面からの振動をかなり吸収してくれるので、ガタガタ道でも快適な乗り心地です。このあたりは購入前に想定したとおりでとても満足しています。
※ロングライドで長時間乗った際のレビューはまた別で書こうと思います。

❌折り畳んでマンションに出入りするのが結構大変

納車の日を迎え、さっそく自転車屋から自宅までサイクリングして帰ってきたのですが、マンションに入る際に問題が発生しました。(ちょっと考えたら分かってたことなんやけど・・・)
当時住んでいたマンションの入り口は自動ドアではなくて、引いて開けるタイプのドア(しかもかなりの速さで閉まる)だったので、Tartaruga を自室に持ち込むには以下の作業が必要です。

  1. Tartaruga を折りたたむ。
    • シートポストは引っこ抜くので片手ふさがります・・・。
    • 本体に付けたまま折りたたむという手段もあるが、マンションのエントランス~エレベーターまでが狭く、あちこちにぶつけそうなので毎回引っこ抜いていました・・・
  2. マンションのオートロックを解除してドアを開ける。
  3. マンションのドアを開けたまま、Tartaruga とシートポストを持って、ドアや壁にぶつけないように細心の注意を払いながらマンション内に入る。

これは地味ですが結構面倒な作業です・・。
自転車に乗ろうとする度に毎回上記の作業を行わなければならないので、結構な心理的ハードルとなります。
また、上記作業中にタイミング悪く同じマンションの住人の方が来たりすると、少しお待たせしてしまうなど迷惑をかけてしまうこともありました。
親切な方はドアを開けるのを手伝ってくれたりもしました。感謝と共にとても申し訳なく思います・・・。

↓折り畳むとこうなります。本体は 13 kg くらいあるのでまぁまぁ重いです。これを持って、オートロック解除してドアあけて入るってのがなかなか大変でした・・・

❌シートポストを持つと手が汚れる

この自転車、完全に折りたたむためにはシートポストを本体から引っこ抜く必要があるんですが、うっかりシートポストの部分をつかんでしまうと、かなりの確率で金属粉で手が汚れます。
というのはシートポストが塗装無しのむき出しの金属(多分アルミ?)なので、フレームに抜き差しする度にこすれて金属粉が発生してしまうんですね・・。
粒子が細かいからか水だけだとなかなか落ちないので、毎回石鹸で洗っていました・・・
出かける前のシートポスト差すときに手が汚れて、気づかずそのまま顔や服を触って汚れてしまったり・・・ということもありました。
なので金属むき出し部分をつかまないようにする、こまめに拭き掃除する・・等の注意が必要です。
メーカーもこのあたりはなんか対策してほしかったなと思います。

❌ チェーンでロングパンツの裾が汚れる

乗車時にかなり気をつけないと、ロングパンツの裾にチェーンが接触して汚れます。
チェーンオイルで黒く汚れてしまうので、パンツの色によってはかなり目立ちます。
普通の自転車の乗車時は、ロングパンツの裾の横にはチェーンリングのカバーがあって、チェーンに接触するなんてことは滅多にないのですが、Tartaruga Type F の乗車姿勢だと、パンツの裾の横には常にチェーンがあるのでペダリングするとかなり接触しやすいんです。
一応一番接触しやすい箇所であるチェーン上側は一部チューブに通していて、その部分は当たっても大丈夫なのですが、ペダリングするとチューブに覆われていないチェーンに接触してしまうようです。(チェーン下側は無防備なので、このあたりに接触するものと思われます・・)
対策としては、裾を絞るような裾バンドをする、蟹股気味にペダリングする・・などがありますが、それでもうっかりチェーンに裾が当たって汚れてしまうことはありました。
メーカーの公式サイトの写真で、乗車している女性が短パンなのはこれが理由なのか・・・・?!

❌ペダリングすると異音がする

試乗したときは気づかなかったんですが、ペダリングするとなにやら擦れるような音が発生します。
手でペダルを回転して確認してみたのですが、チェーンを通しているチューブにチェーンが接触して音が発生しているようです。このチューブはまぁまぁ柔らかい素材のようで、何かに巻き付いていた長いチューブをカットして使用しているのか、形がまっすぐではなくてちょっと曲がっています。
そんなめっちゃうるさい音というわけではないんですが、私はこういう細かい異音が結構気になるほうなので我慢できず、販売店に相談しました。購入時の店員さんが対応してくれたのですが、どうやって直すんやろうと見てたら、チューブを外してガスバーナーで熱して手で曲げる…という方法で変形させていました。
チューブを付けなおしてくれて、ちょっとは音がマシになったのですが、やっぱり完全にチェーンと接触しないようにするのは無理みたいで、店員さんにも申し訳ない気がしたので、我慢することにしました・・・
この時は、「新品の時点でこんな調整が必要なんて店員さんも大変やな・・・」と思ったのですが、そもそもこのチューブがたとえまっすぐだったしても、チェーンがギリギリ通るぐらいの細さなので、完全に接触しないというのは多分無理そうです。ペダリングしてないときに接触してなくても、ペダリングするとチェーンが上下に若干しなるので、やっぱり接触します。
せっかく乗り心地が良くてもペダリング中ずっと異音がして気になるので、これはガッカリです・・。

❌使用用途がかなり限定される

この自転車、買い物用途にはかなり不向きです。ママチャリのように標準でカゴなどはついていません。一応市販のカゴが付けれる Tartaruga Type F 専用フロントキャリアーというオプションパーツがあり、店員さんにも勧められたのですが値段が異様に高くて、なんかボラれてる感があったので断りました・・・。2025年6月3日時点の価格は 税込 ¥15,840 のようで、やはり高価と感じます。カーボンかなんかで作ってるんでしょうか?・・・というわけで私の Tartaruga にはカゴがついてません。
買ったもの、鞄か何かに入れればいいやん・・とも思ったのですが、サドルには背もたれがついているので、鞄を持ったままだと結構乗りずらいんですよね。リュックを背負った状態で乗ると背もたれと自分の背中でサンドイッチ状態になるので、やや上半身を前に倒した変な姿勢でペダリングすることになります。前リュック状態だと膝がリュックに当たってペダリングが非常にしづらいです。(セミ・リカンベントが見事に仇となっています・・・)
コンビニで買ったパンやらお弁当などが入ったレジ袋をハンドルにぶら下げて運んでたのですが、これがまたペダリングすると見事に膝に当たります。食べ物を何回も膝蹴りしたくないので、膝をやや内股気味にしてペダリングしたりしてました。
何とか家まで戻ったとしても、買ったものを持った状態で自転車を折りたたんでマンションに入る・・・というのがとても大変なので、結局買い物でこの自転車に乗ることはなくなってしまいました。

折り畳み自転車なので、輪行(自転車を電車やバスなどの公共交通機関に載せて移動すること)してサイクリングでもしようかと考えたこともありましたが、専用リンコウバッグが高い・重量が重い(13kgくらい)し折り畳んでもそれほどコンパクトではないし持ち運びが大変そう・・というのもあり、一度も輪行することはありませんでした。
当時はサイクリングが趣味というわけでもなく、購入直後のワクワク感が落ち着いてくると、いつの間にか暇さえあればゲーム三昧の日々・・・。

結局、唯一の使い道は、1km ほど先にある彼女の家までの移動だけになってしまいました。
しかも、そこから買い物に出かけるときは、カゴ付きの彼女のママチャリを借りるという情けなさ……。

そして放置状態へ・・・🍂

・・・という感じで、Tartaruga に乗る機会はめっきり減っていたのですが、何年かして彼女と結婚することになり、唯一残されていた「彼女宅への移動」という使用用途も無くなってしまいました。
また新居のマンションでは室内に Tartaruga を配置するスペースは無く、仕方なく駐輪場に停めることに・・。仕事やプライベートも忙しくなっていき、気づけばすっかり放置状態になっていました。

復活編に続く・・・

tk2

映画とかゲームとかが好きです。 はやく引退して悠々自適な生活したい。

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